社員の定着率を高める仕組みとは?

ブログのキャッチ

最近、有望社員が立て続けに辞めて、社長や上司から「定着率を高める方法を考えろ!」と要望されているものの、何から手を付けて良いかわからないと悩んでいませんか?評価や人事制度に不満を持っていれば人事評価制度をリニューアルすることで退職者を減らすことができます。
因みに求人メディアを運営する「エン・ジャパン」のアンケートでは「退職を考え始めたきっかけ」の上位三つの内訳は下記の通りです。

  1. 給与が低かった 47%
  2. 評価や人事制度に不満があった 37%
  3. 残業や休日出勤が多くて辛かった 28%

不満を感じる社員の理由

次に評価や人事制度に不満を感じる社員の理由の上位三つの内訳は

  1. 評価基準が不明確 63%
  2. 評価者の価値観のバラつき(甘辛)  45%
  3. 評価のFBの説明が不十分或いは仕組みがない 28%

評価基準が不明確

評価や人事制度に不満を感じる社員の63%は評価基準が不明確と感じているようです。多くの会社では評価基準は明示・言語化されているものの、抽象的な表現になっていたり、評価者の説明不足で伝えきれないことが原因だと考えられます。

評価者の価値観のバラつき(甘辛)

次に多いのが評価者によるバラツキです。評価者によっては厳しくつける傾向性が強い方や逆に優しくつける方など評価者の価値観や人格によってバラつきが生じます。査定会議で目線合わせを行うものの、どうしてもバラツキは残るため、現実にはバラツキを完全に無くすのは難しいと思います。
但し、査定会議の回数を重ねることでバラツキを少なくすることは可能です。

評価のFB(フィードバック)の説明が不十分或いは仕組みがない

評価制度の仕組みがあっても評価者のFBスキルの巧拙により納得感が大きく変わるのが現実です。思い込みではなく、言動の事実に基づいてFBすることが基本になります。また、会社によっては評価FBの面談をもつ仕組みがなく、結果だけが給与や賞与に反映されるケースもあります。

適切に評価を行なっていない評価者の本音

評価者の内70%は評価に自信をもっているようですが、自信をもっていない評価者の本音の上位三つは下記の通りです。

  1. 評価基準が曖昧 51%
  2. 相対評価になってしまう 47%
  3. 極端な評価をつけづらい 26%

評価基準が曖昧

「評価基準が曖昧だから仕方がない」という本音が聞こえてきます。
特に職能評価では「積極的に取り組んでいる」「協調性がある」など抽象的な評価項目が多く、どうしても中心化傾向にならざるを得ないようです。
今後はより具体的な行動目標を設定し、立てた目標を実現したか否か?というように分り易い基準が求められると考えています。

相対評価になってしまう

多くの会社では全社で評点の総持ち点を決めて、総人件費が計画を上回らないようにマネジメントをしています。経営的には正しい判断ですが、一方で
はどんなに頑張っても自分よりも評価が高い同僚がいたら評価が低くなり、モチベーションアップが下がることがあります。
上司としては成果を出している部下は押しなべて高く評価したいと考えますが、相対評価のため差をつけざるを得ない葛藤に陥るようです。

極端な評価をつけづらい

極端に差をつけて評価をしたくないと考える評価者は多いようです。日本人の特性かも知れませんが、きちんと説明ができない故につけづらいことも多いようです。日常の行動をつぶさに観察できていれば自信をもって評価の理由を説明できますが、そうでなければ無難な点をつけざるを得ないようです。

評価制度の何を変えれば定着率が上がるのか?

期待要望の明示と運用における評価者の意識と行動が変われば評価制度は生き返ります。

  1. 期待要望の明示
  2. 評価者の意識変革
  3. 日常の観察と事実の基づく評価のFB

期待要望の明示

そもそも社員は会社や部署の方針を上司からかみ砕いて伝えられず、「何を期待し、要望しているのか?」明示されないために評価基準を曖昧に感じるようです。業績目標だけでなく、「目標を達成するためにやるべき行動は何か?」「自らの能力を開発するために取り組むテーマは何か?」を考えて設定することが重要ですが、設定の起点になるのが期待要望の明示になります。

評価者の意識変革

「何故、評価するのか?」給与や昇格を決めるための評価・査定だけでなく、組織目標を達成するための仕組みであり、人が育つツールであることを再認識することが評価制度が生き返らせ、社員の「やる気」を引き出す一番の肝だと考えています。
但し、そのためには経営トップが評価制度の意義や意味を伝え、評価者が学ぶ機会を創出することが意識変革に繋がると思います。

日常の観察と事実に基づく評価のFB

日本のマネージャーの90%以上は実務も持っているプレイングマネージャーであるため、日々部下の行動を観察するのは不可能です。しかしながら事実の基づく評価をせず、思い込みや好き嫌いで判断すると部下からの信頼は喪失します。そのために気になった言動や注意したことをメモしておくことをお勧めします。些細なことですが、積み重ねが評価のFBの時に納得感を醸成するすることに繋がります。

まとめ

「人事評価制度をリニューアルするだけで定着率が本当に高まるのか?」と疑う方も多いと思います。しかし、退職を考えた3人に1人が「評価や人事制度に不満を持っている」ことが理由になっているのも事実です。給与を急に上げたり、休日を一気に増やすのは現実的に難しいことを考えるとまずはできることから始めたほうが賢明だと思います。
①期待要望の明示
②評価者の意識改革
③日常の観察と事実に基づく評価のFB
血の通った人事制度にリニューアルすることで評価に対する不満は和らぎ、社員の「やる気」を引き出し、組織が活性化し、収益が上がるスパイラルに持っていくことで定着率を高めることができると思います。まずは試して下さい。

 

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA