人事評価って意味があるの?

ヒアリング

人事評価に関するアンケートでは社員の60%が不満を持っており、80%は見直しを求めています。
そうであるなら評価は廃止か?大幅なリニューアルが必要ではないでしょうか?

1.明確な目的がない評価制度は社員の貴重な時間を浪費している!

確かに評価をする目的や目標が曖昧であると「何のために評価しているのか?」よくわからないと嘆く社員が多いのは事実です。また、目標設定面談や評価振り返り面談など社員以上に管理職が
貴重な時間を割いています。米国などでは評価制度を廃止したり、評価するけれども報酬にリンク
させない仕組みなど様々な取り組みが行われています。IT系企業ではやりのOKRはその一つです。

ここで重要なことは現在の評価制度の目的を再確認することです。
昇給・昇格や配置の参考にするだけでなく、事前に目標を設定し、定期的に振返り(内省)を行い、
原因分析と新たな課題を次の目標設定に活かす流れを通して、社員の成長に活かしていくことを
目的にすることで社員の納得感を高めることができるのではないでしょうか?

2.評価の最大の問題は評価者(管理職)による評価基準のバラツキ!

社員のアンケートでも不満を感じる項目の一つは評価者による甘辛評価です。もちろん、評価者は
できるだけ公平・公正に評価しようと努力している方は多いですが、どうしても好き嫌いや直近の印象
に左右される傾向性があります。また、評価に差をつけると根拠を説明することが必要になりますが、
説明をしなければならないというプレッシャーから差をつけないことも現場では起こっています。

このバラツキを100%無くすのは評価者が人である以上、現実的に無理です。
但し、バラツキを縮めることは可能です。評価基準の明示・言語化、評価者研修の実施。さらに
最終評価前の評価調整会議の実施など地道に取り組むことがバラツキを縮めることになります。
ある程度の評価目線が揃うには最低2~3年かかると腹を括ることが重要です。

3.仕事のやり方まで口出しをして欲しくない!

これはある中国系米国人の意見ですが、自尊心が強いですね。要は仕事は目的とゴールがあれば
やり方に関して、とやかく言わないほうが無駄な時間を取られずに生産性を上げられるとういう
意味です。さらに人によっては「口出し」が侮辱的に感じる方もいるようです。

私は正直同意しかねます。むしろ、的確なアドバイス(口出し)はそのあとの行動変容に影響を
及ぼし、成果の短期間化や拡大につながるとの考え方です。
振返り(内省)は一人でもできますが、自分では気づいていない観点の提供は第三者が必要です。
その役割を評価者(管理職)が担うことで相互の信頼関係を高め、組織目標の達成にも繋がって
いくのではないでしょうか?

4.まとめ

事業環境が大きく変化しています。
時代の要請は環境変化に対して、「柔軟に対応できる人や組織を如何に作れるか?」にかかっている
と感じています。
評価制度は昇給・昇格や配置の参考にするだけでなく、目標を設定し、振返りを通して、結果に対して
真摯な原因分析と新たな課題設定の習慣化を促す仕組みだと捉えることで大きな意味付けができると
考えています。

 

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